経営資源となる医療空間づくりを
医療ビジネスの根幹にあるのは、高度な倫理観や人への優しさ。
いっぽう患者さんは、費用に見合う満足を求めがちです。
この両者の想いを結びつけるのは「価値」というキーワード。
ブランドビジネスを例にとってみましょう。
世界的ハイブランドには魅力的な哲学や歴史をバックボーンに商品はいうまでもなくパッケージやロゴ、店舗デザインなど、
総合的なデザインワークによって自社の価値を表現しています。
ガイドブックで高評価を得ているレストランの場合も、料理もさることながら、ホスピタリティや空間のしつらえなど、
トータルな価値のアピールが重要な要素になります。
さて、歯科クリニックについて考えてみましょう。
患者さんにとっては、安心して治療を任せられることが関心事。
高度な治療に必要な高額な医療設備や機材もそのためのもの。
そうした設備を含めた医療サービスの質の高さをもっとアピールすることが必要ではないでしょうか。
インテリアデザインを同じ文脈で考えたとき、価値を表現する装置にもなり得る空間づくりは、
医療ビジネスにとって大切な経営資源なのだと思います。