医療ビジネスもリピーターづくりを
人間の心理は不思議なもので、嫌な記憶ほど頻繁に思い返すもの。
歯科医院での痛い想い出や、冷たい対応なども例に漏れません。
脳科学では、そうした記憶を「脳内リピート」で体験しているそうです。
しかも、本物の記憶と誤解する臨場感をもつことがもあると言います。
病院の匂いや機器の音など、時代とともに改善されて様変わりしました。
しかし「病院然とした空間」が、いまだ記憶を蘇らせるスイッチになる。
インテリアデザイナーは、そうした記憶を解消する術を心得ています。
ホテルのような落ち着き、ブティックのような贅沢な気分、美術館の静けさ…。
つまりは、嫌な記憶を心地よい実体験によって上書きするのです。
直近のインパクトが大きい記憶ほど「脳内リピート」につながります。
空間のもたらす効果は、とても大切な医療ビジネスの資産になり得ます。
「またお世話になりたい」と患者さんに支持されるクリニックには、良い記憶として残るドクターと治療技術、そして空間があります。